人材の話の前に私がいろは技研を立ち上げた理由を書かせて頂きます。この立ち上げの理由は大きく3つのポイントがあります。
1つ目は長くシステム開発、ソフトウェア開発の現場にいた経験から、色々とこうしたら良いのに、ああしたら良いのにと思うことがあっても色々なしがらみから十分に実践できなかったので、これを実際にやってみたかったということがあります。例えば所謂デスマーチ案件になるかどうかは契約した時点で 8 割程度は決まっています。逆に言えばお客様、開発側が協力してプロジェクトの企画や立ち上げ時に注意すれば相当数は防げるということです。自ら見え見えの落とし穴にはまっていくプロジェクト、そんなプロジェクトを一つでも多く救いたかったのです。
2 つ目はシステム開発者、ソフトウェア開発者の労働環境の悪化と技術者自身の質の低下に対する危機感です。プログラマ 35 歳定年説は多少言い回しは変わってもかなり昔から言われている言葉です。この言葉に対しては賛否両論あると思いますし、私自身あってるとも間違っているとも言えると思っています。しかし、いろは技研が問題としてるのはブラックや 3K などの言葉で言われている問題です。オフショアや開発環境の充実でこの業界の敷居は大きく下がり、それとともに単価も大きく下がりました。結果として多くの企業は利益をだすためにしわ寄せを技術者に求めるしかできなくなっている状況です。このような環境において、技術者が充実した生活を送るにはどうすれば良いのか?これを追及したいという思いがありました。
最後の 3 つ目の理由ですが技術を創造したかったというものがあります。システム開発プロジェクトは今も昔も失敗する可能性が高い分野です。失敗とはそもそも完成しなかった、完成したけれど求められているものではなかった、求めているものはできたけれどスケジュールや採算が合わなかったなど色々です。これらの失敗はソフトウェア開発の黎明期が延々と続けられています。嫌になるほど進歩していません。もちろんコンピュータの性能の向上に合わせてターゲットは大規模、複雑化しており、それを考慮すれば過去と比べて開発技術は進歩したのでしょう。しかし、個人的には十分とは思っていません。特にコンピュータを使ったシステムを作る立場にいるにしては、開発に際してコンピュータを有効に利用していないと感じています。比較的マシなのはプログラミング分野ですが他の要件定義や外部設計、テストなどはまだまだコンピュータを有効に利用できる分野だと思っています。いろは技研ではこれらの分野について研究できればと考えています。
いろは技研の求める人材とは前述の3つのポイントの実現のために一緒に頑張れる人です。